妊娠高血圧症候群とは?体験談、実際の数値とともに解説

わかりやすい病気の解説

妊娠中、「血圧が少し高いですね」と言われて不安になったことはありませんか?

私は1人目の妊娠で、妊娠後期に「妊娠高血圧症候群」と診断。
そして2人目では、さらに重い「妊娠高血圧腎症」と診断されました。

当時は不安で毎日検索していました。
この記事では、私自身の体験も交えながら、妊娠高血圧症候群についてわかりやすく解説します。

妊娠高血圧症候群とは?

妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降に高血圧を発症する状態をいいます。

診断基準の目安
・収縮期血圧 140mmHg以上
・または拡張期血圧 90mmHg以上
これが持続する場合に診断されます。

さらに160/110mmHg以上は重症と定義され、母体や赤ちゃんに影響が出ることがあります。

妊娠高血圧腎症とは?

高血圧に加えて、尿蛋白が出ている場合は妊娠高血圧腎症と分類されます。

妊娠高血圧症候群は、突然のけいれん発作(子癇)、腎臓や肝臓の機能障害、胎盤の機能低下や胎児の発育不全を引き起こすリスクがあり、注意が必要な合併症です。

私の体験談

1人目:妊娠高血圧症候群

当時28歳、BMI20、基礎疾患なく健康な体ですが、
「初産婦」、「両親が高血圧であること」がリスク因子でした。

実際の母子手帳です。

31週を超えたあたりから120/70台
36週で130/70〜80台
38週で140/80〜90台と徐々に上がっています。

38週3日の健診の後に緊急入院。入院直後に破水し、そのまま自然分娩となりました。

2人目:妊娠高血圧腎症

2人目の母子手帳です。

2人目も30週から血圧が上がってきていることがわかります。
1人目との違いは尿蛋白+が続いていること。
尿検査での尿蛋白の数値も上昇傾向にありました。

36週後半で141/97となり、妊娠高血圧腎症と診断され入院。

一日に何度も血圧を測り、血圧が高ければ降圧剤を内服しました。
なんとか37週まで持ちこたえ、37週ちょうどに誘発分娩を行いました。

原因とリスク因子

原因

現在の医学では、明確な原因はまだ完全にはわかっていません。
しかし、有力とされているのが胎盤の血管形成の異常です。妊娠初期に胎盤がうまく作られないことが関係しているという説が有力となっています。

リスク因子

妊娠高血圧症候群には、なりやすい背景(リスク因子)があります。
当てはまる方は、より丁寧な経過観察が重要です。
・初産婦
・高齢妊娠(35歳以上)
・肥満(BMI25以上)、体重が急激に増加した
・多胎妊娠(双子、三つ子など)
・既往歴、基礎疾患
 例)・ 前回の妊娠で妊娠高血圧症候群を発症した
   ・慢性高血圧
   ・糖尿病
   ・腎疾患
   ・自己免疫疾患(SLEなど)
   ・家族歴(母・姉妹が発症)

主な症状

妊娠高血圧症候群は、初期には自覚症状がほとんどないことも多い病気です。
実際に私も自覚症状はなく、血圧以外は元気そのものでした。
そこが妊娠高血圧症候群の怖いところでもあります。


重症化する前に発見するためにも、妊婦健診での血圧測定や尿検査がとても重要になります。

以下、妊娠高血圧症候群の代表的な症状になります。

・高血圧(140/90mmHg以上)
・むくみ
・尿タンパク
・頭痛
・目がチカチカする、光が眩しい
・みぞおち(右上腹部)の痛み → 肝機能障害の可能性

赤ちゃんへの影響

妊娠高血圧症候群は、母体だけでなく赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があります。
その理由は、「胎盤の血流が悪くなる」ことにあります。
血圧が高い状態が続くと、胎盤の働きが十分に保てず、赤ちゃんに送られる酸素や栄養が不足しやすくなるのです。

①胎児発育不全

最も多い影響が「赤ちゃんの発育がゆっくりになること」です。
お腹の中で十分に栄養が届かないことで、
・推定体重が小さめ
・お腹周りが細い
・成長スピードがゆるやか
といった状態になることがあります。

②早産のリスク

妊娠高血圧症候群の根本的な治療は「出産すること」です。
血圧がコントロールできない場合、母体と赤ちゃんを守るために早めに出産になることがあります。

重症の場合は、母体の安全を最優先し、妊娠37週未満で分娩になることもあります。

③ 常位胎盤早期剥離

重症化した場合、胎盤が出産前に剥がれてしまう常位胎盤早期剥離のリスクが高まります。

これは緊急対応が必要な状態です。
頻度は高くありませんが、強い腹痛や出血があればすぐ受診が必要です。

予防のためにできること

妊娠高血圧症候群は、現時点でははっきりとした原因が解明されていないため、絶対に予防できる方法はありません。
しかし、重症化を防ぐ・早期に気づくためにできることはあります。

・妊娠中の適正体重増加を守る
・塩分を摂り過ぎない(1日10g以下)
・無理をしない、しっかり休む
・妊婦健診を必ず受ける
・自宅で血圧を測る

こんな症状があればすぐ受診

① 強い頭痛が続く

  • ズキズキと脈打つような痛み
  • 休んでも改善しない
  • 市販薬ではおさまらない

血圧が急上昇している可能性があります。

② 目のチカチカ・視界の異常

  • 光がまぶしく感じる
  • 視界がかすむ
  • キラキラしたものが見える

③ みぞおちや右上腹部の強い痛み

肝機能障害を伴う重症型の可能性があります。
我慢せず、すぐに病院へ連絡しましょう。

④ 急激なむくみ・体重増加

  • 数日で1〜2kg増えた
  • 顔や手がパンパンにむくむ

⑤ 血圧が160/110mmHg以上

家庭血圧でこの数値が出た場合は、すぐに病院へ連絡しましょう。

⑥ 胎動が少ない、強い腹痛、出血

これらの症状がある場合は迷わず相談しましょう。

まとめ

妊娠高血圧症候群は、妊娠後期に突然起こることがある病気です。

私自身、普段は高血圧ではなく「自分には関係ない」と思っていました。
それでも1人目で妊娠高血圧症候群、2人目では妊娠高血圧腎症と診断されました。
自覚症状がないからこそ、妊婦健診での早期発見が大切であると身をもって感じました。

妊娠高血圧症候群は原因がはっきりと解明されていない疾患です。
妊娠高血圧症候群と診断されても自分を責める必要はありません。
医療者と一緒に管理していけば、多くの場合は無事に出産を迎えられます。

この記事が、同じように不安を抱える方の安心材料になれば幸いです。

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